Yahoo! NEWSに対談記事が掲載されました。
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「真夜中の通販番組、衝動買いを避ける方法とは?"逆に"優れた販売手法を学ぶ」
販売促進の手法はいろいろありますが、リアル店舗を持たずに物を売る典型的な例で、強力に消費者を引きつける方法がテレビ通販ではないでしょうか。特に真夜中のテレビ通販番組は恐ろしいほどに魅惑的です。
真夜中のテレビ通販番組をうっかり見続けてしまい、そこで販売している商品を欲しいという衝動に駆られて、余計な商品を購入してしまった経験はありませんか?
テレビ通販番組の何がそんなに強力に消費者の心を引きつけるかといいますと、実にパーフェクトな販売促進方法を使っているのです。マーケティングの基本を押さえて、しっかりとしたシナリオがあり、話をする順序や、どのように話すか、語り口調についてまでも事前に細かくつくり込んでいるのです。
通信販売大手のジャパネットたかたのように、社長がひとりで商品説明をしている番組もあれば、数人のモニターに商品を試してもらい、利用者に「すごく効果的です」といったコメントを言わせることで、説得力を持たせる方法を取っている番組もあります。
テレビ通販番組では、そこでしか手に入らない最新のオススメ商品などを紹介しています。便利な機能や新しい機能が多く付いており、「これはすごい」と見入っていたら、「300個限定」「今なら割引のチャンス」「さらにアレも付いて、コレも付いてくる」「下取り品があれば更に1万円引き」などと、次々にたたみかけてきます。
即注文しようとする自分に対して、「ちょっと待って、少し冷静になろう」と気持ちを静めているところに、「分割金利手数料は、当社が負担します。支払いは月々3000円」といった具合に煽られたら、「月々3000円くらいなら試してみようかな」などと自分を納得させて買ってしまいます。
リアル店舗では、いちいち店員を呼んで説明をしてもらわないと、その商品の良さも性能もあまりつかめず、他の類似商品との違いもよくわからず、購入に至らないことも多いのではないでしょうか。
●テレビ通販番組を見ても、衝動買いをしないためのコツ
そこで今回は、ついさっきまで、さして興味もなかったのに無性にその商品が欲しくなり、「買わなきゃ損」とさえ思わせるテレビ通販番組を見ても衝動買いをしなくて済む方法を、『お金をかけずに売上3倍!コメントPOP活用術』(合同フォレスト出版)の著者であり、店舗改善コンサルタントの田中博子氏に聞いてみました。
--どうすればテレビ通販番組を見ても、衝動買いをせずに済むのでしょうか?
田中博子氏(以下、田中) 相手はなんといっても通販のプロですから、次々に魅力的な手法で心を奪おうとしてきますが、相手の術中にはまって余計なものを買わないための3つのポイントを挙げてみましょう。
まず、購入に際しては即断・即決をしないことです。できれば、誰かに相談してからにしましょう。そうすれば、冷静な判断ができます。真夜中のテレビ通販番組は、特に危険です。真夜中は冷静な判断ができないことが多いですから、一晩置いて、翌日検討しましょう。
--その場で注文しないことが重要ですね。
田中 はい。ですからテレビ通販番組を見る時には、すぐ手の届くところに携帯電話なども置かないほうがいいですね。
次に、購入前に「それは本当に必要なものか?」「今買う必要があるものか?」「置く場所はあるのか?」「もっと良いものがあるのではないか?」を考えるようにしましょう。インターネットで買った人のコメントをチェックすることも重要です。
--「欲しいものリスト」をつくって、ひとまずそこに入れて、後からじっくり検討するのもいいかもしれませんね。
田中 はい。それは良い考えだと思います。最後に、これまでテレビ通販で買ったものを1カ所に集めてみましょう。本当に必要なものばかりでしょうか? 使わないで放置しているものはありませんか? このようにしてしっかり反省しておけば、同じ過ちを減らせるかもしれません。
--私も、使いもしない健康器具などがたくさんありました。今後は、3つのポイントを参考にしてみます。
テレビ通販番組を制作する企業側も多額の費用をかけていますから、反応率を高めるために必死にマーケティング調査をして、日々改善を重ねています。消費者も、ただ流されるだけではなく、逆に何か得るものはないでしょうか。
社会人の多くは、消費者であると同時になんらかの販売者側でもあります。テレビ通販番組を通じて、販売手法を学ぶことができます。テレビ画面から知ることができる話術やテクニックのほかにも、商品に同梱されているお礼状やカタログ、申し込み用紙、ハガキなどもチェックしてみると、次の注文へつながるような工夫が随所に見て取れます。
これらを参考にして、賢い消費者であると同時に、商売のセンスを身につけることができれば、購入した商品以上に得るものがあるはずです。
尾藤克之/経営コンサルタント